HALのジレンマ

2001年宇宙の旅というSF映画があったのをご存知だろうか。今では2001年は、はるかな過去の事となってしまったが、今(2010年)の時点でも、この映画が描いた技術レベルにはまだ達していないと思う。ともあれ、このエッセーは、この映画を何度もビデオで観直して感じた事。

 

HAL(注1)9000(この宇宙船を統括管理するAI(人口知能)コンピューター)は、その相反するミッション(注2)を内に抱え込んだが故にうつ状態に陥り、この宇宙船の乗組員を次々と殺害していったのだと思う。あなたは、この映画を見てどう感じましたか?。

 

注1)“HAL”は、“IBM”の英文字を1文字ずつずらして作った文字列であると、当時からうわさされていた。真偽の程は定かで無い。

IBMがコンピューターの世界で覇者であった時代を象徴しているのだろう。又、この映画製作に

当たって、IBMが協力したであろう事も、全編をとおして、ハードウェア、ソフトウェアをみればよくわかる。

 

注2)デーブ船長が、HALのコンピュータ基板を一枚ずつ抜き取っていった時、この事(モノリスが

木星軌道上にある)は、事前に乗組員に知らせないようにとの指令文(ビデオ参照)がモニター画面に表示される。HALはこの秘密をひとり(一台?)で守っている事に耐えられなくなったのだろう、と思うが、はてさて、もっと深刻な葛藤があったのか?。たかが電子機械のくせして、というよりは人間の側の考え過ぎが、この電子機械をして、パニックに陥ちいらせたのか?。

 

 指令文

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